口内炎は、口腔内の粘膜に発生する痛みを伴う潰瘍や炎症です。多くの人が生涯に何度かは経験する非常に一般的な症状であり、種々の原因によって引き起こされます。一般的に単純なものは自然治癒しますが、しばしば食事や話すことに影響を及ぼし、日常生活に不便や苦痛を与えることがあります。
原因
口内炎の原因は多岐にわたります。主な原因は以下のとおりです。
- 物理的刺激:硬い食べ物による粘膜の傷、歯ブラシの強い圧力、入れ歯や矯正器具による摩擦など。
- ストレス・疲労:ストレスや過度の疲労は免疫力の低下を招き、口内炎を引き起こしやすくなります。
- 栄養不足:ビタミンB群(特にB2、B6、B12)、鉄分、葉酸などの不足。
- 化学物質による刺激:歯磨き粉の一部成分や口内洗浄液等が刺激となることがあります。
- ホルモン変動:月経、妊娠、更年期などホルモンバランスの変化が関与することも。
- 全身疾患:糖尿病やベーチェット病、クローン病などの全身性疾患や免疫系の疾患。
- 感染症:ヘルペスウイルスなどの感染症が原因で口内炎が生じることもあります。
症状
一般的な口内炎の症状には、以下のようなものがあります。
- 小さな白や黄色の潰瘍
- 潰瘍の周囲の赤み
- 食事、話すこと、歯磨きの際の痛みや不快感
- 場合によっては腫れや発熱
対処法
- 局所治療:オーバーザカウンターの口内炎治療薬を患部に塗布。
- 口腔衛生の維持:優しく、しかし丁寧に歯を磨く。アルコールフリーの口内洗浄液を利用する。
- 食事の工夫:辛い、酸っぱい、塩辛い、硬い食べ物の摂取を避ける。
- 充分な休息と水分補給:ストレスを軽減し、充分な水分を摂ることで、自己治癒力を高める。
- 栄養バランスの良い食事:特にビタミンB群、鉄分、葉酸を含む食品の摂取。
予防
- バランスの取れた食事:栄養不足が口内炎の一因であるため、特にビタミンやミネラルを意識した食事が重要です。
- 口腔衛生の維持:定期的な歯科検診と丁寧な日々の歯磨き。
- ストレス管理:適度な運動、十分な睡眠、趣味やリラクゼーションでストレスを軽減。
- 口の中を清潔に保つ:定期的な歯科検診と適切な口腔ケア。
いつ医師に相談すべきか?
- 口内炎が2週間以上治らない
- 非常に痛みが強い、または潰瘍が大きい(1cm以上)
- 口内炎が頻繁に再発する
- 発熱やひどい不快感がある
- 飲食や話すことが困難な場合
以上のような症状があれば、専門医の診察を受けることが重要です。まれに、口内炎はより深刻な健康問題の兆候である場合があります。
総じて、口内炎は生活習慣の見直しや日々の口腔ケアによって予防や改善が望めます。しかし、症状が持続したり、日常生活に支障をきたす場合には、専門の医師による診断と治療が必要です。