新学期が始まる春は、多くの学校で歯科検診が実施される時期でもあります。「学校の歯科検診でC(虫歯)の指摘があった」「歯並びについて指摘されたけれど、どうすればいいのか分からない」——お子さんが検診結果のプリントを持ち帰ってきて、戸惑った経験のある保護者の方は少なくないのではないでしょうか。今回は、春の学校検診で指摘を受けた場合の正しい向き合い方について詳しく解説していきます。
学校の歯科検診はどのような目的で行われるのか
学校歯科検診は、学校保健安全法に基づいて行われる健康診断の一環であり、児童生徒の歯や口腔内の健康状態を定期的にチェックすることを目的としています。この検診は、あくまで病気の疑いがあるかどうかをスクリーニング(ふるい分け)する役割を担うものであり、詳細な診断や治療を行う場ではありません。そのため、検診で指摘を受けた場合は、必ず歯科医院での精密検査を受けることが推奨されています。
検診結果に記載される主な項目
学校の歯科検診結果には、いくつかの記号や用語が使われており、初めて見る保護者の方にとっては分かりにくいこともあります。代表的な項目について理解しておきましょう。
CO(シーオー)・C1〜C4
「C」は虫歯(Caries)を意味する記号です。「CO」は虫歯になりかけている、あるいは虫歯の初期段階が疑われる状態を指し、「C1」から「C4」は虫歯の進行度合いを表しています。数字が大きくなるほど、虫歯が深く進行している可能性が高いことを示しています。
GO・G
「G」は歯肉(Gingiva)の状態を示す記号です。「GO」は歯肉に軽度の炎症が見られる、歯周病になりかけている可能性がある状態を指します。歯磨きの際の出血や歯ぐきの腫れが見られる場合に、この指摘を受けることがあります。
歯列・咬合の欄
歯並びや噛み合わせについての所見が記載される欄です。歯の重なりや隙間、噛み合わせのズレなどが見られる場合、この欄にチェックが入ることがあります。
要精検・要治療
検診の結果、より詳しい検査や治療が必要と判断された場合に記載される項目です。この記載がある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが望ましいとされています。
検診で指摘を受けたときの対応
「CO」や「GO」だからと安心しすぎない
「CO」や「GO」は、まだはっきりとした虫歯や歯周病ではなく、その手前の段階であることを示しています。「まだ虫歯ではないから大丈夫」と思ってしまいがちですが、これらは適切なケアを行わなければ進行してしまう可能性がある状態です。むしろ、この段階で気づけたことをプラスに捉え、丁寧な歯磨きやフッ素の活用などで進行を防ぐ良い機会と考えることが大切です。
「要精検」「要治療」は早めに歯科医院へ
「要精検」や「要治療」の記載がある場合は、学校の検診だけでは判断しきれない状態であることを意味しています。忙しい新学期の時期ではありますが、できるだけ早めに歯科医院を受診し、詳しい検査を受けるようにしましょう。虫歯は放置すると進行し、治療の負担が大きくなってしまうことがあるため、早期の対応が望ましいといえます。
歯並びの指摘があった場合
歯列や咬合の欄に所見の記載があった場合、必ずしもすぐに矯正治療が必要というわけではありません。成長段階によっては、経過観察で問題ないケースも多くあります。ただし、専門的な視点での確認は必要になるため、かかりつけの歯科医院、あるいは矯正歯科での相談を検討してみるとよいでしょう。
春の忙しい時期でも受診を後回しにしないために
新学期が始まったばかりの春は、新しい生活リズムに慣れるまで何かと慌ただしく、歯科受診を後回しにしてしまいがちです。しかし、検診結果を放置してしまうと、虫歯や歯肉炎が進行してしまう可能性があります。以下のような工夫を取り入れて、できるだけ早めに受診できるよう心がけましょう。
検診結果を受け取ったらすぐに予約を入れる
プリントを受け取ったその日のうちに、あるいは数日以内に歯科医院へ予約の連絡を入れることを習慣にしておくと、後回しにしてしまうことを防げます。
かかりつけの歯科医院を持っておく
普段からかかりつけの歯科医院を決めておくと、検診結果を受け取った際にもスムーズに相談・予約ができます。まだかかりつけの歯科医院がない場合は、この機会に探しておくこともおすすめです。
定期検診と合わせて活用する
学校検診とは別に、日頃から定期的に歯科医院で検診を受けている場合は、次回の定期検診のタイミングで学校の検診結果についても併せて相談するとよいでしょう。
学校検診をきっかけに家庭でのケアを見直す
学校の歯科検診で指摘を受けたことは、家庭での歯磨き習慣やケアの方法を見直す良いきっかけにもなります。以下のような点を、この機会に確認してみましょう。
・仕上げ磨きが必要な年齢の場合、十分にできているか
・歯磨きの時間や回数は適切か
・デンタルフロスなどの補助的な清掃器具を使っているか
・おやつの与え方や食生活に偏りがないか
・フッ素配合の歯磨き粉を使用しているか
こうした日常的な習慣を見直すことで、次回以降の検診結果の改善にもつながっていきます。
保護者としての向き合い方
お子さんが検診結果を持ち帰ってきたとき、指摘があったことに対して過度に不安になったり、逆に「たいしたことはない」と軽視したりせず、冷静に受け止めることが大切です。歯科医院を受診すること自体が、お子さんにとって口腔ケアへの意識を育てる機会にもなります。受診の際には、お子さん自身にも検診結果の内容を分かりやすく伝え、一緒に歯の健康について考える時間を持つのもよいでしょう。
まとめ
春の学校検診で指摘を受けた場合、その結果を放置せず、早めに歯科医院で詳しい検査を受けることが大切です。「CO」や「GO」といった軽度の指摘であっても、進行を防ぐための良いきっかけとして前向きに捉え、家庭でのケア習慣を見直す機会にしましょう。新学期の忙しさの中でも、検診結果を受け取ったらできるだけ早く行動に移すことを心がけ、お子さんの歯と口腔内の健康を継続的に守っていきたいものです。
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