◎シーラントについて
虫歯予防の一つの手法で、特に子供の歯に対してよく用いられます。この処置では、透明あるいは白色のプラスチックの保護膜を歯(特に噛み合わせの表面の溝やくぼみが深い大臼歯や小臼歯)に塗り、虫歯菌やプラークが付着しにくくします。
シーラントの主な役割は、歯の表面に作られる小さな穴や溝を塞ぐことで、そこに食べ物の残りや細菌が詰まるのを防ぐことです。これにより、虫歯の発生を抑えることができます。
◎シーラントをする時期
子供の場合、一般的に最初の永久歯(通常は第一大臼歯)が生え始める6~7歳頃と、第二大臼歯が生えてくる11~14歳頃が、シーラントを施す最適な時期とされています。
しかし、これは一般的なガイドラインであり、個々の子供の口腔の発育や虫歯のリスクによって変わる場合もあります。たとえば、乳歯が特に虫歯になりやすいと判断される場合、歯科医師は乳歯にシーラントを施すことを提案するかもしれません。
また、大人でも特に虫歯になりやすいと考えられる人(例えば口腔乾燥症、高齢者、特定の疾患や薬の影響で口腔の健康が低下している人など)は、歯科医師からシーラントの提案を受けるかもしれません。
◎メリット
- 効果的な虫歯予防:シーラントは特に、食べ物の残りや細菌が溜まりやすい歯の咬む面(大臼歯や小臼歯)の溝やくぼみを覆い、虫歯のリスクを大幅に低減することが示されています。
- 痛みのない処置:シーラントの塗布は無痛で、穴を開けたり歯を削ったりする必要がありません。また、処置は比較的短時間で終わります。
- 長期的な効果:適切に施され、適切に管理されると、シーラントは数年間持続することがあります。
◎デメリット
- 全ての虫歯を防げない:シーラントは噛む面の溝やくぼみを覆うので、この部分の虫歯は予防できますが、歯の側面や間(歯と歯の間)の虫歯は防げません。したがって、シーラントを施しても、適切なブラッシング、フロッシング、定期的な歯科検診が必要です。
- 持続性の問題:シーラントは磨耗したり剥がれたりすることがあり、その場合、効果が失われます。したがって、定期的な歯科検診でシーラントの状態をチェックし、必要に応じて再塗布や修復を行うことが重要です。
- 費用:シーラントは保険が適用されない場合、一定の費用が発生します。ただし、長期的な視点で見ると、虫歯になることを防ぐことで将来的にかかるであろう治療費を節約することも可能です。
以上のように、シーラントには明確なメリットがありますが、全ての虫歯を防げるわけではなく、健康な歯を維持するためには全般的な口腔ケアが重要であるということを忘れないようにしましょう。