◎ドライマウスとは?
ドライマウス(口腔乾燥症)は、口の中に十分な唾液が生成されない状態を指します。唾液は口の健康にとって非常に重要であり、食べ物の消化、口腔内の清潔さの維持、口腔内の感染予防、そして飲み物や食べ物の味わいを助ける役割を果たします。
◎症状
- 口が乾いている感じ
- 口がべたつく感じ
- 口臭
- 唾液の減少または不在
- 舌が荒れる
- 唇が割れる
- 嚥下困難(飲み物や食べ物を飲み込むのが難しい)
- 味覚障害
◎原因
- 薬物の副作用:400種類以上の一般的に使用される薬が口腔乾燥症を引き起こす可能性があります。これには高血圧薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、鎮静剤、鎮痛薬、利尿薬などが含まれます。
- 加齢:加齢自体が直接的な原因となるわけではないですが、加齢に伴う身体の変化(例えば、摂取する薬の数や種類の増加、健康状態の変化など)が口腔乾燥症を引き起こす可能性があります。
- 疾患や状態:シェーグレン症候群、HIV/AIDS、糖尿病、パーキンソン病、脳卒中、骨髄移植など、特定の病状や疾患は口腔乾燥症を引き起こす可能性があります。
- 治療:放射線療法や化学療法は唾液腺に影響を及ぼし、唾液の生成を減少させる可能性があります。
- 神経損傷:頭部または首の傷害や手術が顔の神経を損傷し、唾液腺の機能に影響を及ぼす可能性があります。
- ライフスタイル:口呼吸や過度の話し方、不適切な飲酒や喫煙なども口の乾燥を引き起こす可能性があります。
◎治療方法
- 水分補給:口が乾燥していると感じたら、頻繁に水分補給をすることが重要です。また、食事中にも水を飲むことで唾液の生成を促し、食物の嚥下を助けることができます。
- 口腔内の保湿:口腔内の湿度を保つために、無糖のガムを噛む、または無糖のキャンディをなめるといった方法が有効です。これらは唾液の分泌を刺激します。また、特定の口腔湿潤スプレーやモイスチャライザーも市販されています。
- 薬物療法:症状が重い場合には、唾液の分泌を促す薬剤(例えば、ピロカルピンやセボリン)が処方されることがあります。これらの薬は副作用があるため、医師の指示に従って使用する必要があります。
- 口腔ケア:口腔内を清潔に保つことはドライマウスの管理に重要です。フッ素入りの歯磨き粉で定期的に歯磨きをし、アルコールフリーのマウスウォッシュを使用することをお勧めします。
- ライフスタイルの改善:喫煙やアルコールの摂取は口腔内の乾燥をさらに悪化させるため、これらを避けることが重要です。カフェインも乾燥を引き起こす可能性があります。
- 薬剤の見直し:口腔乾燥症が薬剤の副作用によるものである場合、医師と相談して薬剤の見直しを検討することがあります。
これらの治療法はすべて、口腔内を潤すためと、口腔内の問題の発生を防ぐためのものです。ドライマウスが長期にわたり放置されると、口内炎、舌炎、歯周病、虫歯などの口腔内の問題を引き起こす可能性があります。したがって、症状が長期間続く場合や症状が重度の場合には、歯科医または医師に相談することが重要です。