定期検診でわかること:歯科の健診が教えてくれる重要な情報

はじめに
「痛くないから歯医者に行かなくてもいいや」そう思っていませんか。実は、むし歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。痛みが出た時には、かなり進行している可能性が高いのです。定期的な歯科検診を受けることで、自分では気づけない初期のトラブルを発見し、早期治療につなげることができます。さらに、定期検診では、むし歯や歯周病だけでなく、口腔がん、噛み合わせの異常、全身の健康状態のサインまで、様々なことがわかります。この記事では、定期検診で何がわかるのか、どのような検査が行われるのか、そしてなぜ定期検診が重要なのかについて、歯科医師の視点から詳しく解説していきます。
定期検診とは
定義
定期検診とは、特に症状がなくても、定期的に歯科医院を受診し、口腔内の健康状態をチェックすることです。
推奨される頻度
一般的には、3か月から6か月に一度の受診が推奨されています。むし歯や歯周病のリスクが高い人は、3か月に一度が理想です。
検診の内容
むし歯のチェック、歯周病のチェック、レントゲン撮影、口腔内の粘膜チェック、噛み合わせのチェック、クリーニングなどが行われます。
定期検診でわかること
初期のむし歯
自覚症状がない段階で発見
むし歯は初期段階では痛みがありません。定期検診では、視診やレントゲン撮影により、初期のむし歯を発見できます。
削らずに治せることも
初期むし歯であれば、フッ素塗布や適切なブラッシングで、削らずに治癒させることができます。
歯の間のむし歯
歯と歯の間のむし歯は、自分では見えません。レントゲンで初めて発見されることが多いです。
詰め物の下のむし歯
古い詰め物の下で、むし歯が再発していることがあります。レントゲンや詰め物の状態から判断します。
歯周病の進行度
歯ぐきの状態
歯ぐきの色、腫れ、出血の有無などから、歯周病の有無と進行度を判断します。
歯周ポケットの深さ
プローブという器具で、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)の深さを測定します。3ミリメートル以下が健康、4ミリメートル以上は歯周病の疑いです。
歯の動揺度
歯がグラグラしていないかをチェックします。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯が動きます。
レントゲンで骨の状態
レントゲンで、歯を支える骨の状態を確認します。骨が溶けている範囲や程度を評価できます。
歯石の蓄積
自分では除去できない
歯石は、自分では除去できません。定期検診で専門的なクリーニングにより除去します。
歯周病の原因
歯石には大量の細菌が含まれており、歯周病の原因になります。定期的な除去が重要です。
口腔がんの早期発見
粘膜の異常
舌、頬の内側、歯ぐき、上顎などの粘膜に、異常な白い斑点、赤い斑点、しこり、治らない潰瘍などがないかをチェックします。
早期発見の重要性
口腔がんは、早期発見できれば治療成績が良好です。定期検診での粘膜チェックが、早期発見につながります。
リスクの高い人
喫煙者、大量飲酒者、高齢者は、特に注意が必要です。
噛み合わせの異常
顎関節症の兆候
口を開ける時に音がする、開けにくい、顎が痛いなどの症状がないかをチェックします。
歯の摩耗
歯ぎしりや食いしばりにより、歯が異常に摩耗していないかを確認します。
噛み合わせのバランス
左右のバランス、前後のバランスが取れているかを評価します。
知覚過敏の原因
冷たいものがしみる症状がある場合、その原因を特定します。むし歯、歯周病による歯ぐきの下がり、歯の摩耗、歯の亀裂などが原因として考えられます。
詰め物・被せ物の状態
劣化や破損
古い詰め物や被せ物が、劣化したり、欠けたり、外れかけたりしていないかをチェックします。
適合性
詰め物と歯の間に隙間ができていないかを確認します。隙間があると、そこからむし歯が再発します。
親知らずの状態
生え方
親知らずが斜めに生えていないか、埋まっているかなどを確認します。
トラブルの予兆
親知らずの周囲に炎症の兆候がないか、手前の歯を押していないかなどをチェックします。
唾液の状態
分泌量
唾液の分泌量が十分かを評価します。唾液が少ないと、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
質(緩衝能)
唾液が口の中の酸を中和する力(緩衝能)を測定することもあります。
口臭の原因
客観的な評価
口臭がある場合、その原因を特定します。歯周病、舌苔、むし歯、詰め物の不具合などが考えられます。
全身疾患の可能性
口腔内に問題がないのに口臭がある場合、全身疾患の可能性も考慮します。
全身の健康状態のサイン
糖尿病
歯周病が急速に進行している場合、糖尿病の可能性があります。歯科医師が内科受診を勧めることもあります。
骨粗鬆症
顎の骨の密度が低い場合、骨粗鬆症の疑いがあります。
逆流性食道炎
歯の内側が溶けている場合、胃酸の逆流が原因の可能性があります。
栄養不良
粘膜の状態、舌の状態から、ビタミン不足などの栄養不良のサインを読み取ることがあります。
定期検診で行われる検査
視診
歯科医師が、目で見て口の中の状態をチェックします。むし歯、歯ぐきの腫れ、粘膜の異常などを確認します。
レントゲン撮影
歯と歯の間のむし歯、歯の根の病気、顎の骨の状態、親知らずの位置などを確認します。通常、1年に一度程度撮影します。
歯周ポケット測定
プローブという器具で、すべての歯の歯周ポケットの深さを測定し、歯周病の進行度を評価します。
歯の動揺度チェック
ピンセット状の器具で歯を動かし、グラグラ度合いをチェックします。
咬合チェック
噛み合わせの状態、顎の動きなどを確認します。
口腔内写真撮影
治療前後の比較や、経過観察のために、口の中の写真を撮影することがあります。
プロフェッショナルクリーニング
定期検診では、専門的なクリーニングも行われます。
スケーリング
超音波スケーラーや手用スケーラーで、歯石を除去します。
ルートプレーニング
歯周ポケットの深い部分の歯石や、汚染されたセメント質を除去します。
PMTC
専用の機器と研磨剤を使って、歯の表面を磨き、バイオフィルムや着色を除去します。
フッ素塗布
むし歯予防のため、高濃度のフッ素を歯に塗布します。
定期検診のメリット
早期発見・早期治療
初期段階で問題を発見できるため、簡単な治療で済み、費用も時間も節約できます。
予防効果
定期的なクリーニングにより、むし歯や歯周病を予防できます。
歯の寿命が延びる
定期検診を受けている人は、受けていない人に比べて、80歳での残存歯数が多いというデータがあります。
全身の健康維持
口腔の健康が、全身の健康につながります。
医療費の削減
長期的には、定期検診を受けることで、重症化を防ぎ、医療費を削減できます。
定期検診を受けない場合のリスク
定期検診を受けないと、むし歯や歯周病が進行し、痛みが出てから受診することになります。その時には、抜歯が必要になったり、高額な治療が必要になったりする可能性があります。
まとめ
定期検診では、初期のむし歯、歯周病の進行度、歯石の蓄積、口腔がん、噛み合わせの異常、詰め物の状態、親知らずの状態、唾液の状態、口臭の原因、そして全身の健康状態のサインまで、様々なことがわかります。
痛みがなくても、3か月から6か月に一度の定期検診を受けることで、問題を早期に発見し、簡単な治療で済ませることができます。定期検診は、歯の寿命を延ばし、全身の健康を守るための、最も効果的な投資です。
今日から、定期検診を習慣にしましょう。
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