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初めての入れ歯でつまずきやすいポイント


はじめに

歯を失ったときの治療選択肢の一つである入れ歯は、多くの方にとって身近な補綴装置です。しかし、初めて入れ歯を使用する方の多くが、慣れるまでにさまざまな困難に直面します。違和感、痛み、うまく噛めない、話しにくいなど、予想していなかった問題に戸惑い、入れ歯を使うことを諦めてしまう方もいます。本記事では、初めて入れ歯を使う方がつまずきやすいポイントと、それらを乗り越えるための具体的な対処法について解説します。これから入れ歯を検討している方、すでに使い始めたばかりの方は、ぜひ参考にしてください。

つまずきポイント1:強い違和感と異物感

初めて入れ歯を装着したとき、ほとんどの方が感じるのが強い違和感です。口の中に大きな異物が入っている感覚は、想像以上に不快に感じることがあります。

特に総入れ歯の場合、上顎を覆う床の部分が広いため、舌の動きが制限されたり、味覚が鈍く感じられたりします。部分入れ歯でも、金属のバネ(クラスプ)が歯に引っかかる感覚や、床が歯茎に触れる感覚に慣れるまで時間がかかります。

この違和感は、多くの場合、使い続けることで徐々に慣れていきます。人間の適応能力は素晴らしく、通常2週間から1ヶ月程度で違和感は大幅に軽減します。ただし、我慢できないほどの不快感がある場合は、入れ歯が合っていない可能性があるため、早めに歯科医師に相談することが大切です。

慣れるまでのコツとしては、最初は短時間から始めて、徐々に装着時間を延ばしていくことです。いきなり一日中装着しようとすると、ストレスが大きくなります。まずは1時間から2時間装着し、慣れてきたら時間を延ばしていきましょう。ただし、就寝時は基本的に外すことが推奨されます。

つまずきポイント2:痛みや圧迫感

入れ歯を使い始めてから痛みを感じることは非常に多いトラブルです。特定の部分が強く当たって痛い、噛むと痛い、歯茎が赤く腫れるなどの症状が現れます。

痛みの原因はいくつかあります。入れ歯と歯茎の接触部分に不均一な圧力がかかっている、入れ歯の縁が歯茎に食い込んでいる、噛み合わせが高すぎるまたは低すぎる、などです。新しい入れ歯は、口の中の形に完全にフィットするまで調整が必要なことがほとんどです。

痛みを我慢して使い続けると、歯茎に傷ができたり、口内炎になったりする可能性があります。痛みがある場合は、無理をせずに早めに歯科医院を受診しましょう。歯科医師が入れ歯の当たりが強い部分を削って調整することで、痛みは改善されます。

ただし、受診前日は入れ歯を装着しておくことが重要です。痛い部分を確認するために、歯科医師は入れ歯を装着した状態での歯茎の状態を見る必要があります。受診当日の数時間前に装着しておけば、当たっている部分が赤くなっているため、調整箇所が分かりやすくなります。

入れ歯安定剤の使用も一時的な対処法として有効ですが、根本的な解決にはなりません。安定剤に頼りすぎると、入れ歯の不具合に気づきにくくなることもあるため、注意が必要です。

つまずきポイント3:食事がしづらい

初めての入れ歯で最も困るのが、食事がうまくできないことです。食べ物が噛み切れない、噛んでいる途中で入れ歯がずれる、食べ物が入れ歯の下に入り込むなど、さまざまな問題が起こります。

特に総入れ歯の場合、自分の歯と比べて噛む力は約3分の1から4分の1程度に低下すると言われています。そのため、これまで普通に食べていたものが食べづらくなります。

食事の際のコツは、まず柔らかいものから始めることです。最初はお粥、煮物、豆腐、卵料理など、噛む力をあまり必要としない食品を選びましょう。慣れてきたら、徐々に硬いものにチャレンジしていきます。

前歯で噛み切ろうとすると入れ歯が浮きやすいため、奥歯を使って噛むことを意識してください。また、左右均等に噛むことで、入れ歯が安定しやすくなります。片側だけで噛むと、入れ歯が傾いたりずれたりする原因になります。

食べ物は小さく切って、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。急いで食べようとすると、入れ歯が安定せず、食事がさらに困難になります。

粘着性の高い食品や硬い食品は、慣れるまで避けた方が良いでしょう。お餅、ガム、キャラメル、硬いせんべいなどは、入れ歯を外す力が働いたり、破損の原因になったりします。

つまずきポイント4:発音がしづらい

入れ歯を装着すると、舌の動きが制限されたり、口の中の容積が変わったりするため、発音がしづらくなります。特にサ行、タ行、ラ行の発音が不明瞭になることが多く、会話に自信が持てなくなる方もいます。

これは入れ歯の厚みによって舌の位置が変わり、息の通り道が変化するためです。特に総入れ歯の場合、上顎を覆う床の部分が厚いと、舌が上顎に触れる感覚が変わり、発音に影響します。

発音の問題も、多くの場合、使い続けることで改善していきます。脳が新しい口の中の状態に適応し、自然と正しい発音ができるようになります。

改善を早めるためには、積極的に話す練習をすることが効果的です。本や新聞を音読したり、発音しづらい言葉を繰り返し練習したりすることで、慣れが早くなります。最初は家族や親しい友人との会話から始めて、徐々に慣れていきましょう。

どうしても改善しない場合は、入れ歯の厚みや形態を調整することで改善できることもあります。遠慮せずに歯科医師に相談してください。

つまずきポイント5:入れ歯の着脱が難しい

入れ歯の着脱、特に部分入れ歯の着脱は、慣れるまで意外と難しいものです。バネをどの歯にかけるのか分からない、正しい方向が分からない、外すときにどこを持てばいいか分からないなど、戸惑う方が多くいます。

無理に着脱しようとすると、入れ歯が変形したり、残っている歯を傷つけたりする可能性があります。力任せに扱うのではなく、正しい方法を身につけることが大切です。

着脱の練習は、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士の指導を受けることが最も確実です。鏡を見ながら、ゆっくりと正しい手順を覚えましょう。最初は時間がかかっても、繰り返し練習することでスムーズにできるようになります。

外出先での着脱に不安を感じる方もいますが、慣れれば短時間でできるようになります。トイレなど人目につかない場所で落ち着いて行えば問題ありません。

つまずきポイント6:手入れ方法が分からない

入れ歯を清潔に保つことは非常に重要ですが、正しい手入れ方法を知らない方が意外と多くいます。

入れ歯は毎食後に外して洗うことが理想的です。流水下で専用のブラシを使って、食べカスやぬめりを落とします。このとき、歯磨き粉は使わないでください。歯磨き粉に含まれる研磨剤が入れ歯に細かい傷をつけ、そこに汚れや細菌が付着しやすくなります。

就寝時は入れ歯を外し、洗浄剤に浸けておくことが推奨されます。これにより、ブラッシングでは落としきれない細菌や汚れを除去できます。また、歯茎を入れ歯から解放することで、歯茎の健康を保つことができます。

入れ歯を外したときは、必ず水を入れた容器に保管しましょう。乾燥すると変形したり、ひび割れたりする可能性があります。

残っている自分の歯がある場合は、その歯の手入れも忘れずに行いましょう。部分入れ歯のバネがかかる歯は特に虫歯になりやすいため、丁寧なブラッシングが必要です。

つまずきポイント7:調整のタイミングが分からない

入れ歯は作製後も定期的な調整が必要ですが、いつ歯科医院を受診すべきか分からず、我慢してしまう方がいます。

新しい入れ歯は、使い始めて1週間後、1ヶ月後など、定期的に調整することが一般的です。また、痛みがある、ずれる、噛みにくいなどの問題があれば、すぐに受診すべきです。

歯茎は時間とともに痩せていくため、最初はぴったりだった入れ歯も徐々に合わなくなります。定期検診を受けることで、問題が大きくなる前に対処できます。

自己判断で入れ歯を削ったり、曲げたりすることは絶対に避けてください。専門的な知識なしに手を加えると、修復不可能な損傷を与える可能性があります。

まとめ

初めての入れ歯では、違和感、痛み、食事や発音の困難、着脱や手入れの難しさなど、多くのつまずきポイントがあります。しかし、これらの問題のほとんどは、時間をかけて慣れることと、適切な調整によって解決できます。我慢せずに歯科医師に相談し、焦らず少しずつ慣れていくことが大切です。正しい使い方と手入れを身につければ、入れ歯は快適な食生活と笑顔を取り戻す心強いパートナーとなります。

患者様に寄り添い、丁寧で優しいケアを大切にする、怖くない、痛くない歯科医院です。
名古屋市おすすめ、ほほえみ歯科名古屋院、是非、ご来院ください。

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