はじめに
食事中に突然、口の中で「カチッ」という音がして、何か硬いものが出てきた経験はありませんか。それは歯の詰め物かもしれません。詰め物が取れると、「すぐに歯医者に行けない」「取れた詰め物はどうすればいい?」「痛みがないけど放置して大丈夫?」など、様々な疑問や不安が生じます。詰め物が取れることは珍しくなく、多くの人が経験します。しかし、その後の対処法を間違えると、歯がさらに悪化したり、治療が困難になったりする恐れがあります。適切な応急処置と早期受診により、歯を守ることができます。本記事では、詰め物が取れたときの正しい対処法、やってはいけないこと、受診までの注意点について詳しく解説します。
詰め物が取れる原因
まず、なぜ詰め物が取れるのかを理解しましょう。
最も多い原因は、接着剤の劣化です。詰め物は接着剤で歯に固定されていますが、時間とともに劣化します。特に10年以上経過している詰め物は、取れるリスクが高まります。
虫歯の再発も原因の一つです。詰め物の下や周囲で虫歯が進行すると、接着が弱まり、詰め物が取れます。これを二次カリエスといいます。
噛み合わせの変化や強い咬合力も影響します。歯ぎしりや食いしばりの癖がある人、硬いものをよく噛む人は、詰め物に強い力がかかり、取れやすくなります。
粘着性の高い食べ物も要注意です。キャラメル、ガム、餅などを食べたときに、詰め物がくっついて取れることがあります。
歯の破折により、詰め物が取れることもあります。歯自体が欠けたり割れたりすると、詰め物も一緒に外れます。
詰め物が取れた直後にすべきこと
詰め物が取れたら、以下の手順で対処しましょう。
まず、取れた詰め物を探します。飲み込んでしまった場合は、通常は便とともに排出されるため、過度に心配する必要はありません。ただし、呼吸困難などの症状があれば、すぐに医療機関を受診します。
取れた詰め物が見つかったら、水で軽く洗い、清潔な小袋や容器に入れて保管します。歯科医院に持参すれば、再利用できる場合もあります。特に、金やセラミックなど高価な材料の場合は、持参する価値があります。
口の中を清潔にします。ぬるま湯で優しく口をゆすぎます。強くうがいすると、穴の中の神経を刺激することがあるため、優しく行います。
穴の中を確認します。鏡で、どの歯の詰め物が取れたか、穴がどのくらいの大きさかを確認します。出血がある場合は、清潔なガーゼで優しく押さえます。
できるだけ早く歯科医院に連絡します。状況を説明し、受診の予約を取ります。痛みが強い場合や、穴が大きい場合は、緊急で診てもらえることもあります。
やってはいけないこと
詰め物が取れたとき、以下の行動は絶対に避けましょう。
第一に、取れた詰め物を自分で接着剤でつけ直そうとしないことです。市販の接着剤は口の中で使用するものではなく、有毒です。また、正しい位置に戻せず、噛み合わせが狂います。
第二に、穴を舌や指で触らないことです。刺激により痛みが増したり、細菌が入り込んだりする恐れがあります。特に、神経に近い深い穴の場合、激しい痛みを引き起こすことがあります。
第三に、穴の中に食べ物を詰めないことです。「穴を埋めれば大丈夫」と思って食べ物を詰める方がいますが、これは細菌の繁殖を促し、虫歯や炎症の原因になります。
第四に、詰め物が取れた歯で硬いものを噛まないことです。歯が欠けたり割れたりする恐れがあります。食事は反対側で噛みましょう。
第五に、放置しないことです。痛みがなくても、早めに受診することが重要です。
痛みがある場合の対処
詰め物が取れて痛みがある場合の対処法です。
冷やすことが効果的です。頬の外側から、濡れタオルや保冷剤をタオルで包んだものを当てます。炎症を抑え、痛みを軽減できます。
市販の鎮痛剤を服用することもできます。イブプロフェンやアセトアミノフェンなどが有効です。用法用量を守り、適切に使用します。
ただし、これらは一時的な対処であり、根本的な治療ではありません。できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
痛みが激しい場合、神経が露出していたり、炎症を起こしていたりする可能性があります。夜間や休日であれば、休日夜間診療所や救急歯科を利用します。
痛みがない場合の注意点
詰め物が取れても痛みがない場合、「急がなくても大丈夫」と思いがちですが、これは危険です。
痛みがないのは、神経が取ってある歯か、虫歯がまだ神経に達していないためです。しかし、穴が開いた状態では、細菌が侵入しやすく、虫歯が急速に進行します。
また、穴の縁が鋭利になっていることがあり、舌や頬の粘膜を傷つける恐れがあります。
詰め物が取れた状態で噛み続けると、歯が欠けたり割れたりするリスクが高まります。特に、神経を取った歯は脆くなっており、割れやすいです。
痛みがなくても、1週間以内には歯科医院を受診することが推奨されます。放置すればするほど、治療が複雑になり、費用も時間もかかります。
受診までの食事の注意
歯科医院を受診するまでの間、食事にも注意が必要です。
詰め物が取れた歯では噛まないようにします。反対側で噛むか、詰め物が取れた歯に食べ物が触れないようにします。
柔らかいものを選びましょう。おかゆ、うどん、豆腐、ヨーグルト、スープなど、あまり噛まずに食べられるものが理想的です。
硬いもの、粘着性のあるもの、刺激の強いものは避けます。せんべい、ナッツ、キャラメル、ガム、極端に熱いものや冷たいもの、甘いもの、酸っぱいものなどです。
特に、甘いものや酸っぱいものは、穴の中の象牙質を刺激し、しみる痛みを引き起こすことがあります。
食後は、ぬるま湯で優しく口をゆすぎます。穴の中に食べかすが詰まらないようにします。ただし、強くうがいすると刺激になるため、優しく行います。
歯磨きの方法
詰め物が取れた後の歯磨きにも注意が必要です。
口腔内を清潔に保つことは重要なので、歯磨きは続けます。しかし、詰め物が取れた歯は、特に優しく磨きましょう。
柔らかい歯ブラシを使用し、力を入れずに撫でるように磨きます。穴の中を歯ブラシでゴシゴシこするのは避けます。
歯磨き粉は、刺激の少ないものを選びます。研磨剤が強いものや、ミント系の刺激が強いものは避けた方が無難です。
デンタルフロスや歯間ブラシは、詰め物が取れた歯の周囲では慎重に使用します。無理に通そうとすると、歯が欠ける恐れがあります。
うがい薬を使用する場合も、刺激の少ないものを選びましょう。
歯科医院での治療
歯科医院では、状態に応じて様々な治療が行われます。
まず、詰め物が取れた原因を調べます。レントゲン撮影により、虫歯の有無や深さ、歯の状態を確認します。
虫歯がなく、詰め物の劣化だけが原因であれば、新しい詰め物をします。取れた詰め物が使える場合は、それを再接着することもあります。
虫歯が再発している場合は、虫歯を削り取った後、新しい詰め物をします。虫歯が深い場合は、神経の治療が必要になることもあります。
歯が大きく欠けている場合は、詰め物ではなく、被せ物(クラウン)が必要になることもあります。
治療の回数は、状態により異なります。単純な詰め直しなら1回で済むこともありますが、虫歯の治療が必要な場合は数回かかります。
詰め物の種類と特徴
詰め物には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
保険診療では、主に銀色の金属(金銀パラジウム合金)やレジン(プラスチック)が使われます。金属は強度が高いですが、見た目が目立ちます。レジンは白いため目立ちませんが、経年劣化しやすいです。
自費診療では、セラミック、ゴールド、ジルコニアなどが選択できます。セラミックは見た目が自然で変色しにくいですが、割れやすい面もあります。ゴールドは適合性が良く長持ちしますが、高価で目立ちます。
歯科医師と相談し、場所や予算に応じて、最適な材料を選びましょう。
詰め物を長持ちさせる方法
詰め物を長持ちさせるための対策もあります。
定期的な歯科検診が最も重要です。3ヶ月から6ヶ月に一度、チェックとクリーニングを受けましょう。詰め物の不具合や二次カリエスを早期に発見できます。
毎日の丁寧な歯磨きも欠かせません。詰め物の周囲は特に丁寧に磨き、虫歯を予防します。
フロスや歯間ブラシも使用し、詰め物の隙間に食べかすが残らないようにします。
粘着性の高い食べ物は控えめにします。キャラメル、ガム、餅などは、詰め物を引っ張る力がかかります。
硬いものを無理に噛まないことも大切です。氷、硬いキャンディ、骨などは、詰め物や歯にダメージを与えます。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースを使用しましょう。就寝中に歯を守ることができます。
まとめ
詰め物が取れたら、取れた詰め物を保管し、口の中を清潔にし、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。自分で接着剤をつけたり、穴を触ったりすることは避けます。
痛みがなくても放置せず、1週間以内には受診することが大切です。受診までは、柔らかい食事を選び、詰め物が取れた歯で噛まないようにします。
適切な対処と早期受診により、歯を守り、治療も簡単に済みます。定期検診で詰め物の状態をチェックし、長持ちさせる努力も忘れずに行いましょう。
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