ガムピーリングは、紫外線やタバコなどで黒ずんだ歯茎を元の健康な色に戻す治療法です。
フェノール（漂白剤）と無水アルコール（中和剤）を交互に歯ぐきに塗布し、1回につき約5～10分かけて行います。
歯ぐきの変色は表面のメラニンによるものなので、黒ずんだ歯ぐきがその日のうちにピンク色になることはありませんが、塗布後2～3日でメラニンを含んだ歯ぐきの表面が剥がれます。
1～2週間で新しい層が再生され、きれいな歯茎に生まれ変わります。
当院ではフェノールという薬剤を使ってガムピーリングを行っています。
このような方に
ガムピーリングをお勧めします
- ・笑ったときに歯茎が黒く見えるのが気になる人
- ・毎日、口呼吸をしていて、歯茎が黒ずんでいる方
- ・喫煙者または家族に喫煙者がいる方
- ・日焼けなどで歯茎が黒ずんでいる人
- ・歯を白くし、黒ずんだ歯茎のコントラストが強くなる方
なぜ？
歯茎の黒ずむの5つの理由
歯茎や歯肉の黒ずみの主な原因は、メラニン色素の沈着です。
では、なぜ歯ぐきにメラニンが沈着するのでしょうか？
- ・歯ブラシで強い刺激を与える
- ・たばこ（喫煙）
- ・口呼吸
- ・紫外線
- ・刺激の強い食べ物
などが主な原因です。
こうした日々の刺激の結果、歯茎の皮膚の下にあるメラノサイトと呼ばれる組織が、歯茎を守るためにメラニンを生成します。
また、遺伝的な理由により、生まれつきメラニンが生成されやすい体質の人もいます。
国民の9割に見られると言われていますが、日本では成人の約2人に1人がメラニン色素の沈着により歯茎が黒ずんでいると言われています。
このメラニンの蓄積による黒ずみは、毎日のケアでは簡単には元に戻りません。
しかし、「ガムピーリング」を行うことで、黒ずんだ歯ぐきから健康なピンク色の歯ぐきを取り戻すことができます。
ガムピーリングのメリット
ガムピーリングのメリットは以下の通りです。
-
01高い即効性
フェノールによる投薬以外にも、歯茎の黒ずみを除去する方法はありますが、レーザー治療は1回では効果が得られにくく、何度か繰り返す必要があります。
一方、ガムピーリングにフェノールを使うメリットは、即効性が高いので、ほとんどの場合、一度で変色が改善できることです。 -
02痛みがほとんどない
フェノールを使ったガムピーリング治療では、治療中の痛みはほとんどありません。
表面麻酔薬で十分な痛みのコントロールが可能です。
治療後、数日間はしみることがありますが、ほとんどの場合、鎮痛剤なしで治ります。 -
03回復が早い
ガムピーリングは、古い上皮が新しい上皮に置き換わるという生理現象を利用して、歯肉の変色を改善する方法です。 フェノールの効果でターンオーバーが促進され、歯茎の変色が改善されるため、回復が早く、1週間程度で美しい色合いを取り戻すことができます。
-
03高い安全性
ガムピーリングにフェノールが使われるようになってから約70年にもなります。 そのため、手順が確立されており、ほとんどの場合、問題点が指摘されて改善されているので、安全性の高い手順と言えます。
ガムピーリングのデメリット
ガムピーリングでガムのメラニン色素沈着を改善する場合、以下のようなデメリットが考えられます。
-
01治療後、数日間はチクチクヒリヒリする感覚がある
ガムピーリング後の数日間は、患部が少しチクチクヒリヒリとした感覚や違和感を感じることがあります。 ほとんどの場合、自然に治癒しますので、来院される必要はありません。
-
02アレルギーがある場合は不可
フェノールやアルコールなどの薬剤にアレルギーのある方は、ガムピーリングを受けることはできません。
-
03歯肉退縮のリスク
フェノールはコットンを使って塗布しますが、フェノールは液体なので、症状によっては塗布する範囲をコントロールすることが難しい場合があります。 患部が薄い場合、歯肉退縮の原因になることがあります。
-
03金属による歯茎の変色には適してない
装着された金属製人工歯の金属イオンによる歯肉の変色や金属製人工歯に起因する歯肉の変色、例えばメタルコアを研磨した際に歯肉に入り込んだ小さな金属片は、ガムピーリングで改善することができません。
ガムピーリングのプロセス
- 01
カウンセリング
- 治療の前に、何が心配なのか、生活習慣が症状に関係しているのかを聞き、治療方法を説明します。
- 02
口腔内検査と診断
- 色素沈着を特徴とする疾患はメラニン色素だけではありませんので、メラニン色素であるかどうか、ガムピーリングが必要であるかどうかを検査・診断します。
- 03
術前処置
- 患部を過酸化水素やイソジンで消毒し、表面麻酔を行います。 次に、患部以外の歯ぐきに薬が触れないように、コットンロールを使用します。
- 04
フェノール塗布
- 90％フェノールをコットンで歯ぐきに塗り、20～30秒放置します。 この時、フェノールを塗布した部分の歯茎が白くなります。
- 05
アルコールで中和し、水で洗い流します
- 99％アルコールのコットンで20～30秒中和します。 中和後、水で十分に洗い流します。 この手順を2～3回繰り返します。
- 06
フォローアップ
- 約1週間後に経過観察します。 多くの場合、歯ぐきは魅力的で健康的なピンク色になります。
ガムピーリング後の注意事項
- 刺激的な食べ物（香辛料など）や喫煙は避けてください
- 数日の間、ヒリヒリと感じることがあります
- 歯茎の皮が剥けた後、1週間ほどは白くなります
- 白くなった歯ぐきを無理にはがすと、歯ぐきがきれいにならなかったり、痛みが出たりすることがあります
- 一度できれいになる人もいますが、黒ずみがひどい人は何度か塗る必要があります
- 個人差はありますが、生活環境によっては再び黒ずみが発生する可能性があります
